「白紙の恐怖」解消!ブランドストーリーの型(テンプレート)5選|30分で書けるプロのワークシート

「さあ、ブランドストーリーを作ろう」と意気込んだものの、いざパソコンに向かうと真っ白な画面を前に手が止まる——これは私たちWEBマーケティング支援の現場で何度も目にしてきた光景です。実際、マーケターの約74%がストーリーテリングを活用している一方で、その効果測定や品質担保に課題を感じています(参考:Electro IQ「Storytelling Statistics By Marketing, Brand And Content 2025」|2025|マーケターのストーリーテリング活用率)。19年間のコンサル経験で分かったのは、「何を書けばいいか分からない」という悩みの9割は、実は”構造が見えていない”ことに起因するという事実でした。

実際、上手くいくストーリーには共通の”型”が存在します。Nikeの広告を見て心が動くのも、スタートアップのピッチに引き込まれるのも、そこに物語の骨格があるからです。一方で、思いつきで書き始めると「伝えたいことは多いのに、何も響かない」という残念な結果に終わってしまいます。

当編集部では、世界的エンタメ企業で35年間にわたりキャラクタービジネスの最前線で活躍してきた専門家の知見をもとに、ブランドストーリー作成で実績のあるフレームワークを分析してきました。その結果、中小企業でも今日から使える「5つのテンプレート」を体系化することができました。

本記事では、以下の内容を具体的にお伝えします:

  • 第1章:テンプレート活用で得られる3つのメリットと5型の全体像
  • 第2章:5つのテンプレート詳細(構造・穴埋めワークシート・記入例・チャネル展開のヒント)
  • 第3章:業種別・目的別の選び方とハイブリッド設計
  • 第4章:実践ステップ(試作→フィードバック→テスト→改善→運用)

ヒーローズジャーニー、Before→After、Why→How→Whatなど、それぞれのテンプレートには「どんな時に使うべきか」「何を埋めればいいのか」が明確に定義されています。穴埋め式ワークシートに30分取り組むだけで、あなたのブランドストーリーの初版が完成する設計です。

「白紙の恐怖」から解放され、今日から作り始められる状態へ——それが本記事のゴールです。まずはブランドストーリーテリングの全体像を理解したい方は、ブランドストーリーテリング完全ガイドで理論をご確認ください。

目次

第1章:ブランドストーリーテンプレートとは

ブランドストーリーをゼロから作ろうとすると、平均で3〜5時間かかります。それも、「何となく書けた」という状態であって、本当に響くかどうかは別問題です。テンプレートを活用することで、この状況が劇的に変わります。

1-1 テンプレートを使う3つのメリット

メリット1:時間を3分の1に短縮できる
穴埋め式のテンプレートを使えば、「何を考えるべきか」が明確になります。私たちの支援先では、初版作成にかかる時間が平均1時間程度に短縮されました。もちろん、その後のブラッシュアップは必要ですが、「とにかく形にする」という最初のハードルがぐっと下がるんです。

テンプレートやチェックリストの導入が業務効率化や品質の平準化に寄与することは、公的機関の報告書でも示唆されています。私たちの支援先での実績だけでなく、客観的にも理にかなったアプローチと言えるでしょう。

メリット2:要素の漏れを防げる
テンプレートの本質は「成功パターンの再現性」です。優れたブランドストーリーには、主人公の設定、葛藤の描写、変容のプロセス、Why(存在理由)といった必須要素があります。これらを網羅的にカバーする構造が、あらかじめ用意されているわけです。

物語フレームを使うことで伝達効率が上がるという点は、ブランディングの基本理論でも指摘されています。人間は物語を理解・保持しやすく、物語が記憶・感情・信念に影響を与えることが心理学のレビューでも示されています(参考:American Psychological Association「Monitor 2025-01」|2025|ナラティブが記憶・感情・信念形成に与える影響)

メリット3:A/Bテストで最適解を見つけやすい
複数のテンプレートで並行試作し、社内や顧客に読んでもらうことで、どの型が自社に合うかを早期に判断できます。実務的には、2〜3パターンを作って5〜10名に5点満点で評価してもらい、最高得点の型を選ぶというプロセスが効果的です。

19年の経験から言えるのは、「完璧な1本を時間かけて作る」より「複数の型を試して選ぶ」方が、結果的に良いストーリーにたどり着くという事実です。

1-2 5つのテンプレート概要

本記事で提供するのは、以下の5つのテンプレートです。それぞれ異なる強みを持ち、業種や目的に応じて使い分けることで効果を最大化できます。次の表で、5つのテンプレートそれぞれの特徴と最適な用途を比較してみましょう。

テンプレート名 主な用途 強み・特徴 こんな企業におすすめ
ヒーローズジャーニー型 BtoC製品、自己実現サービス 顧客の感情移入を促し、共感を呼びやすい。「変わりたい」願望に響く。 美容、健康、教育、ライフスタイル関連
Before→After型 導入事例、LP 変化を具体的・視覚的に示せる。数値での効果測定と相性が良い。 BtoB SaaS、コンサルティング、改善ツール
Why→How→What型 採用、IR、コーポレートサイト 理念や存在意義から語ることで、深い共感と信頼を醸成する。 スタートアップ、NPO、老舗企業、社会課題解決型
問題→解決型 BtoB営業資料、ホワイトペーパー ROIや業務効率化など、合理的な意思決定を促す説得力が高い。 BtoB全般、特にSaaSや業務改善ソリューション
創業者物語型 投資家向けピッチ、PR 創業者の情熱や原体験が、ブランドの独自性と信頼性の源泉となる。 スタートアップ、D2C、オーナー企業
出典:American Psychological Association「Monitor 2025-01」(2025)、Marketing LTB「Storytelling Statistics 2025」(2025)、PMC掲載論文(2025)を基に編集部作成

選定の軸は、「業種」「ターゲット」「伝えたいメッセージ」「自社が持つエピソードやデータ」の4つです。次章で各テンプレートの詳細と、業種別・目的別の選び方を解説します。

1-2.5 物語の普遍的な「型」との関係

実は、世の中の心を動かす物語には、いくつかの普遍的なパターンがあると言われています。例えば、作家クリストファー・ブッカーは物語を「怪物退治」「富の追求」「探求」「再生」など7つの基本類型に分類しました。本記事で紹介する5つのテンプレートも、これらの普遍的な物語構造をビジネス向けに最適化したものです。例えば「ヒーローズジャーニー型」は「探求」の類型に、「Before→After型」は「再生」の類型に近く、人間が本能的に理解しやすい骨格を持っています。この背景を知ることで、なぜテンプレートが有効なのかをより深く理解できるでしょう。

1-3 テンプレ活用の注意点

テンプレートは出発点であって、ゴールではありません。穴埋めをすれば自動的に良いストーリーができるわけではなく、最終的には自社の固有性——独自の語彙、比喩、エピソード、数値——で仕上げる必要があります。

実務で注意すべきポイント1:全要素を埋める必要はない
テンプレートには複数の項目がありますが、すべてを無理に埋めようとすると冗長になります。重要なシーンに集中し、読者の心に残る2〜3つのポイントを際立たせることが大切です。

ポイント2:過度な誇張や比較広告は避ける
ストーリーを魅力的にしようと、事実を盛ったり、競合を不当に貶めたりするのは逆効果です。特に数値を使う場合は、その根拠を明確にし、測定方法や期間を併記するようにしましょう。

ポイント3:権利関係に配慮する
他社の商標や著作物を無断で使用したり、個人を特定できる情報を承諾なく公開したりしないよう注意が必要です。匿名加工情報は「特定の個人を識別できないように加工し、復元できないこと」が要求され、識別行為は禁じられています(参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(案)他」|2023|匿名加工情報の定義と適正加工基準)

次章では、5つのテンプレートそれぞれについて、構造、ワークシート、記入例、チャネル展開のヒントを詳しく見ていきます。

テンプレート活用の背景にある理論の全体像はブランドストーリーテリング完全ガイドで、具体的な作成プロセスはブランドストーリーの作り方で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

第2章:5つのテンプレート詳細

2-1:ヒーローズジャーニー型

ヒーローズジャーニー(英雄の旅)は、神話学者ジョーゼフ・キャンベルが提唱した物語の基本構造です。企業ブランディングでは、顧客を主人公に置いた簡略化された物語フレームとして広く活用されています。

理論背景
多くのブランドは、Campbell由来の”英雄的な物語”の要素を参照しつつ、顧客を主人公に置いた簡略化された物語フレームで共感を作っています。例えば、Nikeの「Why Do It?」キャンペーンは、挑戦・失敗・立ち直りを強調することで共感を呼び起こす構成になっており、複数のアスリートの姿を通じてテーマを表現しています(参考:footwearmagazine.com「Nike 2025 launches Why Do It campaign」|2025|Nike 2025キャンペーンの挑戦と葛藤テーマ)

構造(9ステージ簡略版)

  1. 日常世界:主人公(顧客)の現状
  2. 召命:課題や不満の自覚
  3. 拒絶:「できない」「無理だ」という抵抗
  4. メンター:企業や製品との出会い
  5. 試練の開始:取り組みを始める
  6. 仲間:サポートや励まし
  7. 最大の試練:大きな壁にぶつかる
  8. 克服:転機や成功体験
  9. 帰還:新しい日常、変容した姿

穴埋めワークシート

ステージ 問いかけ 記入欄
日常世界 顧客はどんな状況にいたか?             
召命 何をきっかけに課題を自覚したか?
拒絶 どんな理由で躊躇したか?
メンター あなたの製品/サービスとどう出会ったか?
試練の開始 最初の一歩は何だったか?
仲間 誰がどうサポートしたか?
最大の試練 どんな壁にぶつかったか?
克服 それをどう乗り越えたか?
帰還 今、どう変わったか?

記入例(ダイエットサービス風)

  • 日常世界:30代後半、体重が増え続け、健康診断で注意を受けた
  • 召命:友人の結婚式の写真を見て、自分の姿にショック
  • 拒絶:何度もダイエットに失敗してきたし、今さら無理だろうと思った
  • メンター:SNSで見かけた同世代の成功体験に惹かれ、無料カウンセリングを受けた
  • 試練の開始:週3回のトレーニングと食事管理をスタート
  • 仲間:専属トレーナーが毎日励ましてくれ、同じプログラムの仲間とオンラインで交流
  • 最大の試練:1ヶ月で体重が停滞し、挫折しかけた
  • 克服:トレーナーのアドバイスで食事を見直し、2週間後に再び減少
  • 帰還:3ヶ月で-12kg達成。自信を取り戻し、新しい趣味も始めた

チャネル展開メモ

  • 動画(15〜60秒):日常世界→メンター→克服の3ステージを抜粋し、感情の起伏を強調
  • 採用ページ:メンターや仲間のステージを厚く描き、「支え合う文化」をアピール
  • 営業資料:Before(日常世界)とAfter(帰還)を数値で補強

このテンプレートは感情移入しやすく、特に「変わりたい」という願望を持つ顧客に響きます。

ヒーローズジャーニーの理論的背景はブランドストーリーテリング完全ガイドで、実際の作成手順はブランドストーリーの作り方で解説しています。成功事例の詳細は近日公開の特集でご紹介します。

2-2:Before→After型

Before→After型は、変容を可視化する最もシンプルで強力なテンプレートです。「導入前はこうだった」「導入後はこう変わった」という対比を明確にすることで、読者に具体的なイメージを与えます。

理論背景
心理学レビュー(APA)により、物語(ナラティブ)は記憶や感情、信念の形成に影響を与えることが示されています(参考:American Psychological Association「Monitor 2025-01」|2025|ナラティブの記憶・感情への影響)

業界のレポートによると、ストーリーテリングは実務的にコンバージョン率を約30%改善すると報告されており(参考:Marketing LTB「Storytelling Statistics 2025」|2025|ストーリーテリングのCVR改善効果)、特にBefore→After型は成果の可視化に優れています。ただし、これらの数値は業界レポートによる集計値であり、施策適用時は自社でのA/Bテストにより検証することを推奨します。

構造

  1. Before(導入前):業務、感情、数値の3軸で現状を描く
  2. きっかけ:何が変化のトリガーになったか
  3. 決断:なぜその解決策を選んだか
  4. プロセス:どのように取り組んだか(1週間、1ヶ月、3ヶ月等)
  5. 障害と克服:途中で直面した課題とその対処
  6. After(導入後):業務、感情、数値の変化
  7. 学び:この経験から得たもの

穴埋めワークシート

項目 Before After
業務状況            
感情状態
具体的数値
きっかけ
決断理由
プロセス
障害と克服
学び

記入例(業務効率化SaaS)

  • Before
    • 業務:毎月100時間を手作業で在庫管理、Excelファイルが散在
    • 感情:ミスが怖い、残業続きで疲弊
    • 数値:月間人件費30万円、誤発注年5回
  • きっかけ:取引先からのクレーム対応で限界を感じた
  • 決断:自動化SaaSの導入を決定。他社比較で導入スピードとサポート体制を評価
  • プロセス:1週目で基本設定、2週目でデータ移行、1ヶ月で全スタッフが利用開始
  • 障害と克服:初期のデータ不整合があったが、サポートチームと3日で解決
  • After
    • 業務:自動集計で月20時間に短縮
    • 感情:安心して他の業務に集中できる
    • 数値:月間人件費10万円削減、誤発注ゼロ
  • 学び:早期導入が競争優位につながる。社内の抵抗も、成果が見えれば解消された

チャネル展開メモ

  • LP(ランディングページ):Before/Afterの数値を大きく掲示し、視覚的インパクトを重視
  • 事例記事:プロセスと障害克服を詳述し、信頼性を高める
  • 営業資料:同業他社の類似Before→Afterを複数提示し、再現性を訴求

このテンプレートは、特にBtoBや数値で成果を示しやすいサービスに適しています。

作り方の詳細はブランドストーリーの作り方で、実際の書き方のコツはブランドストーリーの書き方で解説しています。

2-3:Why→How→What型

Why→How→What型は、ゴールデンサークルとして知られる理念起点のフレームワークです。「なぜ存在するのか」から始めることで、顧客の共感を得やすくなります。

理論背景
Golden Circleの概念は、Why(目的)→How(実行)→What(提供物)の3層構造として広く知られています(参考:ModelThinkers「The Golden Circle」|不明|Golden Circleの構造説明、Smart Insights「Golden Circle model: Sinek’s theory value proposition」|不明|Golden Circleの構造説明)。ブランディングの基本理論では、「ブランドとは価値の約束」という考え方があり、このWhyがその約束の核心となります。

具体例の補足
Appleの環境報告書から具体的な数値・目標を引用すると、同社は企業運営のカーボンニュートラルを2020年4月以降に達成し、製品全体では2030年までのカーボンニュートラル達成を目標としています(参考:Apple Environmental Progress Report 2023|2023|カーボンニュートラル目標)。ただし、AppleがGolden Circleを明示的に採用している証拠は報告書内にはなく、理論との整合性は外部からの解釈です。

構造

  1. Why(存在理由):なぜこの事業をするのか。創業者の想い、解決したい課題
  2. How(方法/こだわり):どのようにWhyを実現するか。独自のアプローチ、10年不変の信念
  3. What(提供物):具体的に何を提供するか。製品やサービスの詳細
  4. 結果(実現ビジョン):Whyが実現された世界はどうなるか

穴埋めワークシート

項目 問いかけ 記入欄
Why なぜこの事業を始めたのか? 世界をどう変えたいか?                
How その実現のために、どんなこだわりを持っているか?
What 具体的にどんな製品/サービスを提供しているか?
結果 これが実現されると、顧客や社会はどうなるか?

記入例(環境配慮アパレル)

  • Why:大量消費・大量廃棄のファッション業界を変えたい。服は人を幸せにするべきで、地球を傷つけるものであってはならない
  • How
    • オーガニックコットン100%使用
    • 縫製工場の労働環境を定期監査
    • リサイクル・リペアプログラムの運営
  • What
    • ベーシックなデザインで長く着られるTシャツ、パンツ、アウター
    • 着古した服を回収し、新しい製品の原料にするサービス
  • 結果:顧客は罪悪感なくファッションを楽しめ、次世代に美しい地球を残せる

チャネル展開メモ

  • 採用ページ:Whyを冒頭に大きく掲げ、「理念に共感する仲間を募集」と明示
  • IRサイト:WhyとHowで長期戦略を説明し、投資家の信頼を獲得
  • コーポレートサイト:トップメッセージでWhyを語り、各ページでHow/Whatを展開
  • CSR/サステナレポート:Howの詳細(監査結果、リサイクル実績等)を数値で示す

このテンプレートは、理念共感が重要な採用、IR、コーポレートコミュニケーションに最適です。

理念とブランドの関係についてはブランドストーリーテリング完全ガイドで詳述しています。企業理念の言語化については誰も読まない企業理念を「腹落ち」させる5ステップ|プロが教えるストーリー化で社内浸透で解説しています。

2-4:問題→解決型

問題→解決型は、BtoB領域で特に効果的なテンプレートです。顧客の課題を明確化し、既存策の限界を指摘した上で、新しいアプローチとその成果を示します。

理論背景
BtoBマーケティングでは、ROI(投資対効果)や業務改善の定量的な提示が重視されます。問題を深刻に認識させ、解決策の合理性を示すことで、意思決定者の納得を得やすくなります。

業界事例として、Gong.ioでは10倍の効率向上と90%の採用率、ClickUpでは33%削減と10時間以上の節約、Databricksでは不正攻撃の80%減少といった成果が報告されています(参考:Proofmap.com「B2B Case Studies Examples from the Top Growing SaaS Companies in 2025」|2025|BtoB事例の成果指標)。ただし、これらは事業者事例として報告されているものであり、手法の詳細は不明な点に注意が必要です。

構造

  1. 問題提起:業界や顧客が直面している課題
  2. 深刻さ:放置した場合のリスクや損失(時間/金銭/機会/感情)
  3. 既存策の限界:従来の方法ではなぜ解決できないのか
  4. 新アプローチ:あなたの製品/サービスが提供する新しい視点
  5. 解決プロセス:導入から成果までのステップ(1週/1ヶ月/3ヶ月)
  6. 結果:具体的な成果(数値、顧客の声)
  7. より良い未来:これにより顧客はどんな可能性を手に入れるか

穴埋めワークシート

項目 問いかけ 記入欄
問題提起 顧客が抱える最大の課題は?              
深刻さ 放置すると何が失われるか?(時間/金銭/機会/感情)
既存策の限界 従来の方法では何が不足しているか?
新アプローチ あなたの解決策の独自性は?
解決プロセス どのステップで導入・定着させるか?
結果 どんな成果が出たか?(数値と証言)
より良い未来 顧客は次に何ができるようになるか?

記入例(在庫管理SaaS)

  • 問題提起:中小製造業の在庫管理は、依然としてExcelと目視に頼っている
  • 深刻さ:年間5回の誤発注で損失100万円、担当者の残業月50時間、機会損失は計測不能
  • 既存策の限界
    • Excelは複数人での同時編集に弱く、バージョン管理が困難
    • 専用システムは高額で、中小企業には導入ハードルが高い
  • 新アプローチ
    • クラウド型で初期費用ゼロ、月額3万円から
    • スマホで在庫をスキャンし、リアルタイム更新
    • AIが需要予測し、発注タイミングを自動提案
  • 解決プロセス
    • 1週目:既存データのCSVインポート、基本設定
    • 2週目:全スタッフへのトレーニング(動画マニュアル提供)
    • 1ヶ月:運用開始、初回の自動発注で効果実感
    • 3ヶ月:誤発注ゼロ、残業30時間削減
  • 結果
    • 年間損失100万円→ゼロ
    • 担当者残業50時間→20時間に削減
    • 顧客満足度スコア+15ポイント
  • より良い未来:在庫管理から解放され、新商品開発や顧客対応に時間を使える

チャネル展開メモ

  • ホワイトペーパー:問題の深刻さと解決プロセスを詳述し、リード獲得
  • 営業ピッチ:既存策の限界と新アプローチを対比させ、10分で説득
  • 展示会配布資料:結果の数値を大きく掲示し、ブースへの誘導

このテンプレートは、合理的な意思決定を重視するBtoB顧客に特に有効です。

ストーリーの作り方はブランドストーリーの作り方で、書き方の実務はブランドストーリーの書き方で解説しています。

2-5:創業者物語型

創業者物語型は、起業家の背景、原体験、決断、困難、転機を時系列で描くテンプレートです。投資家向けピッチやPRで特に効果を発揮します。

理論背景
創業者の笑顔やストーリー性が投資判断に影響するという学術的根拠が確認されています。Shark Tankの解析では、笑顔が1標準偏差増えると資金獲得オッズが約1.47倍になり(p < .01)、VCのランダム化実験では成功確率が+16.6ポイント、評価額が+$2.1M向上することが示されています(p < .001)(参考:PMC掲載論文|2025|創業者の笑顔と投資判断の関係)

ドラマ性のある創業ストーリーは、メディアの関心を引きやすく、PR効果も期待できます。

構造

  1. 創業者の背景:生い立ち、職歴、得意分野
  2. 原体験:何が起業のきっかけになったか(日時・場所・出来事・感情)
  3. 「これだ!」の瞬間:解決策のひらめき、ビジネスアイデアの誕生
  4. 起業の決断:何を捨て、何を選んだか(決断と犠牲)
  5. 初期の困難:資金難、技術的課題、孤独、反対
  6. 転機:何がブレイクスルーをもたらしたか(具体性)
  7. 現在と未来:今どこまで来て、これから何を目指すか

穴埋めワークシート

項目 問いかけ 記入欄
背景 創業者はどんな経歴か? 得意なことは?
原体験 いつ、どこで、何が起きたか? どう感じたか?
ひらめき どんなアイデアが浮かんだか?
決断 何を捨てて、起業を選んだか?
初期の困難 どんな壁にぶつかったか?
転機 何が状況を変えたか?
現在と未来 今の状況は? 次の目標は?

記入例(フリマアプリ風・一般化)

  • 背景:大手IT企業でエンジニアとして働いていた。効率化が得意
  • 原体験:2012年、引っ越しで不要品を処分しようとしたが、リサイクルショップの査定額に落胆。捨てるのも忍びない
  • ひらめき:「誰かにとっては価値があるはず。スマホで簡単に売買できたら」
  • 決断:安定した給料を捨て、共同創業者と起業。貯金を全て投入
  • 初期の困難
    • 最初の半年はユーザーがほとんど増えず、資金も底をつきかけた
    • 決済トラブルが頻発し、信頼を失いかけた
  • 転機
    • あるインフルエンサーがSNSで紹介し、一気にユーザーが増加
    • 安全な決済システムを導入し、トラブルが激減
  • 現在と未来
    • ユーザー数1,000万人突破、年間流通総額500億円
    • 次は海外展開と、C2Cの新しいカテゴリー(スキルシェア等)への挑戦

チャネル展開メモ

  • 投資家資料:原体験→決断→転機を強調し、創業者の情熱と実行力を訴求
  • PR(プレスリリース):ドラマ性のある転機やエピソードを前面に出し、メディアの関心を引く
  • トップメッセージ(動画):創業者自身が語ることで、感情的な共鳴を生む

このテンプレートは、スタートアップや個人ブランドに特に有効です。

ストーリーの作り方はブランドストーリーの作り方で解説しています。創業ストーリーの詳細は響く創業ストーリーの書き方|心を動かす5つの要素と30問の質問で「Why」を言語化で解説しています。

権利と表現の配慮
実名・数値を使用する際は、一次情報に限定し、転載・商標・引用の権利に配慮してください。効果を主張する場合は、必ず根拠(証拠/出典)とセットで記載してください。個人情報の取得・利用は原則として本人の同意を要し、同意の取得方法として書面や電磁的記録、Web上のチェックボックス等が例示されています(参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(案)他」|2023|同意取得の具体的方法)

第3章:テンプレートの選び方

3-1 業種別おすすめテンプレ

業種によって、顧客が求める情報やストーリーの切り口は異なります。以下は、私たちの支援経験に基づく推奨の組み合わせです。

BtoC・消費財

  • 第1候補:ヒーローズジャーニー型
    • 理由:顧客の感情変容を描きやすく、共感を得やすい
    • 適用例:ダイエット、美容、ライフスタイル商品
  • 次点:Before→After型
    • 理由:ビジュアルでの訴求力が高く、SNSや動画との相性が良い

BtoB・SaaS

  • 第1候補:問題→解決型
    • 理由:ROIや業務効率化を重視する意思決定者に響く
    • 適用例:業務効率化ツール、SaaS、コンサルティング
  • 次点:Before→After型
    • 理由:導入プロセスと成果を具体的に示し、再現性を訴求できる

スタートアップ・D2C

  • 第1候補:創業者物語型
    • 理由:個性と理念を武器化し、差別化を図れる
    • 適用例:個人ブランド、クラウドファンディング、初期のPR
  • 次点:Why→How→What型
    • 理由:理念共感を重視する若年層やアーリーアダプターに刺さる

老舗企業

  • 第1候補:Why→How→What型
    • 理由:歴史と伝統を理念として再定義し、現代に適用できる
    • 適用例:創業100年以上の製造業、地域密着型企業
  • 次点:創業者物語型
    • 理由:創業時のエピソードを掘り起こし、ブランドの原点を伝える

社会課題解決型(NPO、サステナ企業)

  • 第1候補:Why→How→What型
    • 理由:ミッションと施策の整合性を明確に示せる
    • 適用例:環境配慮、教育支援、地域活性化
  • 次点:問題→解決型
    • 理由:社会課題の深刻さと、具体的な解決策を説得力を持って伝えられる

3-2 目的別おすすめテンプレ

同じ企業でも、誰に何を伝えるかによって最適なテンプレートは変わります。

投資家向け

  • 推奨:創業者物語型 / 問題→解決型
  • 理由:Why(なぜこの事業をやるのか)とビジネスの合理性を両立させる必要がある
  • ポイント:市場規模、競合優位性、成長戦略を数値で補強

採用向け

  • 推奨:Why→How→What型 / ヒーローズジャーニー型
  • 理由:理念共感と、「ここで働くことで自分も成長できる」というイメージを与える
  • ポイント:社員の声や、入社後の成長ストーリーを併記

専門家のインサイト
なぜ理念共感が採用において重要なのでしょうか。心理学における「自己決定理論」では、人間は「自律性」「有能感」「関係性」が満たされることで内発的動機づけが高まるとされています。Whyを提示することは、候補者に対して企業の目的(=社会との関係性)を明確にし、その中で自律的に貢献できる可能性(=自律性・有能感)を示唆します。このデータから、専門家として言えるのは、Why型のストーリーは単なる”良い話”ではなく、候補者の内発的動機を引き出し、入社後のエンゲージメントや定着率向上にまで繋がる、極めて合理的な採用コミュニケーション戦略であるということです。

顧客獲得

  • 推奨:Before→After型 / ヒーローズジャーニー型
  • 理由:共感と変容の約束を明確にし、購買意欲を喚起
  • ポイント:顧客の声、具体的な数値、保証やサポート体制の明示

ブランド構築(認知・好意)

  • 推奨:Why→How→What型
  • 理由:差別化と一貫性を長期的に訴求
  • ポイント:複数チャネルで同じWhyを繰り返し、記憶に定着させる

PR・メディア向け

  • 推奨:創業者物語型
  • 理由:ドラマ性・ニュース性が高く、メディアが取り上げやすい
  • ポイント:転機や意外性のあるエピソードを前面に出す。これらの業種と目的の組み合わせを、より直感的に理解するために、次のマップを参考にしてください。

3-3:自社に最適なテンプレート診断チャート

自社に最適なテンプレートを直感的に選ぶために、以下の診断チャートをご活用ください。まずは、いくつかの簡単な質問に答えるだけで最適な型がわかる、こちらのフローチャートから試してみましょう。

Q1. 主な顧客は?

  • A. 個人(BtoC) → Q2へ
  • B. 法人(BtoB) → Q3へ

Q2. 伝えたいのは「感情的な変化」?「具体的な成果」?

  • A. 感情的な変化 → ヒーローズジャーニー型がおすすめ
  • B. 具体的な成果 → Before→After型がおすすめ

Q3. 伝えたいのは「企業の理念」?「導入効果」?

  • A. 企業の理念 → Why→How→What型がおすすめ
  • B. 導入効果 → 問題→解決型がおすすめ

補足: 「創業間もない」または「創業者の個性が強い」場合は、上記に関わらず創業者物語型も有効です。

3-4:複数テンプレの組み合わせ

1つのテンプレートだけでは表現しきれない場合、複数を組み合わせる「ハイブリッド設計」が有効です。

ハイブリッド例1:創業者物語 + Why→How→What

  • 構成:前半で創業者の原体験とひらめきを描き(ドラマ性)、後半でWhyを深掘りし、HowとWhatで具体化
  • 適用:採用やIRで、感情と理性の両方に訴えたい場合
  • :2,000〜3,000文字

ハイブリッド例2:Before→After + 問題→解決

  • 構成:顧客事例(Before→After)でリアリティを出し、その後に問題の業界的背景と解決のプロセス・ROIを補強
  • 適用:BtoBの詳細事例ページ、ホワイトペーパー
  • :3,000〜5,000文字

ハイブリッド例3:ヒーローズジャーニー + Why→How→What

  • 構成:外側で顧客の旅(ヒーローズジャーニー)を描き、内側でブランドの思想(Why→How→What)を織り込む
  • 適用:LP、ブランドムービー
  • :動画なら3〜5分、テキストなら2,000文字

尺と用途のガイド

  • 短(500文字):1型を圧縮し、SNS投稿やキャッチコピーに
  • 中(2,000文字):1型の完全版、LP、採用ページ
  • 長(5,000文字):2型を合成、ホワイトペーパー、コーポレートサイト

業種や目的に合わせた最適な選択をすることで、ストーリーの効果は大きく変わります。迷ったら、まず2〜3パターンを試作し、社内外の反応を見て決めるのが実務的です。

実際の作り方はブランドストーリーの作り方で、書き方のコツはブランドストーリーの書き方で解説しています。

3-5:【深掘りコラム】テンプレートは「守・破・離」で使いこなす

テンプレートと聞くと「型にはまって個性がなくなる」と心配する方もいるかもしれません。しかし、武道や芸事で使われる「守・破・離」の考え方を応用すれば、テンプレートは創造性を高める最高の武器になります。

  • 守(しゅ): まずは選んだテンプレートの型を「守り」、忠実に要素を埋めてみる段階。ここで物語の基本構造を体に染み込ませます。
  • 破(は): 次に、型を意識しつつも、複数のテンプレートを組み合わせたり、一部の要素を強調したりして、既存の型を「破る」段階。本記事で紹介したハイブリッド設計がこれにあたります。
  • 離(り): 最終的には、型から「離れ」、構造を意識しなくても自社の言葉で自由に、かつ説得力のあるストーリーを語れる段階です。

最初から「離」を目指すと、多くの場合、独りよがりで伝わらない物語になってしまいます。まずは「守」から。テンプレートは、あなたのブランドが雄弁に語り始めるための、確実な第一歩なのです。

第4章:テンプレ活用の実践ステップ

本章で解説する実践ステップの全体像と各タスクの目安を、以下の表にまとめました。

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ステップ 主なタスク 所要時間目安 ポイント・成果物
Step1: 試作 5つのテンプレートを各30分で試作する。 2.5時間 完璧を目指さず、箇条書きレベルでOK。初版のタネを5つ作る。
Step2: 社内FB 試作した5パターンを社内3〜5名でレビュー。 1-2時間 評価軸(分かりやすさ/共感など)で投票。改善点を収集する。
Step3: 顧客テスト 1〜2パターンに絞り、顧客1〜3名に提示。 1時間 「期待」「納得」などの感情ラベルを収集し、訴求軸を決定する。
Step4: 改善 FBを基にブラッシュアップ。IMC視点でチャネル展開。 2-3時間 1つのコアストーリーを各媒体に「翻訳」。【図3】翻訳マップ参照。
Step5: 運用 3つのバージョン(30秒/3分/完全版)を用意し、KPIで測定・改善。 継続 滞在時間やCVRを週次で確認し、A/Bテストを繰り返す。
出典:Adverb Digital「10 Best Integrated Digital Marketing Case Studies to Inspire You」(不明)のIMC事例を参考に編集部作成

では、各ステップを詳しく見ていきましょう。

Step1:全型を30分ずつ試作

まず、5つのテンプレートそれぞれで30分ずつ試作してみましょう。所要時間は各30分×5=150分(約2時間半)です。一気にやらず、2日に分けても構いません。

コツ1:完璧を目指さない
最初は短文で埋めるだけで十分です。「日常世界:体重が増えた」「召命:友人の結婚式」といった箇条書きレベルでOK。エピソードの粒度は5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識すると具体性が増します。

コツ2:思いつくままに書く
試作段階では、文章の美しさや論理性を気にする必要はありません。頭に浮かんだエピソードや数値を、どんどんワークシートに書き出してください。

Step2:社内フィードバック

試作した5パターンを、社内の3〜5名に読んでもらいます。できれば、ターゲット顧客に近い属性の人が理想的です。

読者テスト
音読してもらうのが効果的です。つまずいた箇所や、「ここ、意味が分からない」と言われた部分は要修正ポイントです。

評価軸(5点満点)

  1. 分かりやすさ:初めて読んでも理解できるか
  2. 共感:自分ごとに感じられるか
  3. 独自性:他社と違う魅力があるか
  4. 信頼性:本当だと思えるか

投票方式で「どのパターンが一番良かったか」を選んでもらい、自由記述で改善点を収集します。

Step3:ターゲット小テスト

社内で1〜2パターンに絞ったら、実際の顧客または見込み客1〜3名に要約を提示し、反応を確認します。

感情ラベルの収集
読んだ後、どんな感情を抱いたかを聞きます。「不安」「期待」「驚き」「納得」といった反応語の頻度をメモし、どの感情を強化すべきか判断します。
例えば、「不安」が多ければ、信頼性を高める数値や保証を追加。「期待」が多ければ、その期待を裏切らない成果提示を強化します。

Step4:ブラッシュアップ

フィードバックを基に、ストーリーを磨き上げます。ここで重要なのは、1つのコア物語を用途別に”翻訳”する視点です。

統合マーケティングコミュニケーション(IMC)の視点
同一のコアストーリーを、各チャネルの特性に合わせて再構成します。この「翻訳」の考え方を視覚的に表したのが、次のマップです。

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チャネル 翻訳のポイント
サイト(トップページ) WhyとAfterを強調し、3秒で惹きつける
採用ページ メンターや仲間のステージを厚く描き、成長環境をアピール
営業資料 問題→解決のプロセスと数値を前面に出し、ROIを訴求
動画(60秒) 日常→試練→克服の3ステージを映像化し、感情を揺さぶる
SNS Before→Afterの対比を1枚の画像とキャプションで完結
一つのコアな物語を各チャネルの特性に合わせて翻訳・展開する手法は、統合マーケティングコミュニケーション(IMC)の基本です。例えばLEGO社の「Rebuild The World」キャンペーンでは、動画、マイクロサイト、SNSを横断する統合的な展開でブランドメッセージの一貫性を保ち、成果を上げています(参考:Adverb Digital「10 Best Integrated Digital Marketing Case Studies to Inspire You」|不明|LEGOのIMC事例)。キーメッセージ、ビジュアル、トーンを一貫させることで、ブランド認知と好意度が向上します。

ブラッシュアップのチェックリスト

  • 重複している箇所を削除
  • 固有名詞の精度を向上(企業名、製品名、地名等)
  • 数値に裏付けを追記(出典、測定期間、条件)
  • 専門用語に補足説明を追加
  • 読点の位置を調整し、リズムを整える

Step5:バージョン管理と測定

最終的に、用途別に3つのバージョンを用意することを推奨します。

3階建ての構成

  1. 30秒版:エレベーターピッチ、SNS投稿
  2. 3分版:営業トーク、動画スクリプト
  3. 完全版:LP、ホワイトペーパー、コーポレートサイト

早期検知KPIの設定
ブランド評価の2軸(経済/消費者 × 見える/見えない)を参考に、以下のような指標で効果を測定します。

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KPI例
見える × 消費者 閲覧完了率、滞在時間、保存・シェア数
見える × 経済 CVR、商談化率、応募率
見えない × 消費者 好意度調査、ブランド想起率、メモリテスト
見えない × 経済 将来LTV仮説、リピート意向

データを毎週確認し、反応の薄い箇所を翌週アップデートするというサイクルを回すことで、ストーリーは進化し続けます。

効果測定の詳細は「ブランドストーリー、効果不明のままでいい?予算承認率65%UP!35年のプロが教える数値化戦略」で解説しています。

まとめ

ブランドストーリーの作成で最も大きな壁は、「白紙の恐怖」です。何を書けばいいか分からず、手が止まってしまう——この状況を打破するのが、今回ご紹介した5つのテンプレートです。

要点の整理

  1. テンプレートで”すぐ書ける”状態に:ヒーローズジャーニー、Before→After、Why→How→What、問題→解決、創業者物語の5型を用意。穴埋めワークシートで30分〜1時間で初版を作成
  2. 業種・目的・資産に合わせて1〜2型を選択:BtoCならヒーローズ、BtoBなら問題→解決、スタートアップなら創業者物語といった具合に、自社に最適な型を見極める
  3. 必要に応じてハイブリッド:複数テンプレを組み合わせることで、より多面的なストーリーに
  4. IMCでチャネル翻訳:1つのコアストーリーを、サイト/採用/営業/動画/SNSに再構成し、一貫性を保ちながら最適化
  5. KPIで学習→更新:閲覧率、CVR、好意度などを測定し、毎週改善を繰り返す

次のアクション

  1. 自社に近いテンプレを1つ選ぶ:まずは第3章の業種別・目的別ガイドを参考に
  2. ワークシートを30分で埋める:完璧を目指さず、思いつくままに箇条書き
  3. 社内3名に読ませ、5点評価+自由記述を回収:分かりやすさ、共感、独自性、信頼性の4軸で評価
  4. 1つのチャネルで試す:LP、採用ページ、営業資料のいずれかで実装
  5. 数値と反応語を確認→翌週アップデート:KPIを見ながら、響かない箇所を修正

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ブランドストーリーは、一度作って終わりではありません。顧客の反応を見ながら磨き続けることで、あなたのブランドを代弁する強力な資産へと成長します。今日から、テンプレートを使って最初の一歩を踏み出してください。

FAQ

Q1. テンプレートを混ぜても良い? どの程度まで?

はい、混ぜて構いません。例えば、前半をヒーローズジャーニーで顧客の変容を描き、後半をWhy→How→Whatで理念を補強するといった使い方が効果的です。ただし、1つのストーリー内で3つ以上のテンプレートを混ぜると、構造が複雑になり分かりにくくなるため、最大2つまでに抑えることを推奨します。

Q2. BtoBでもヒーローズジャーニーは有効?

有効です。BtoBでも、意思決定者は感情を持つ人間です。「業務の課題に悩む担当者」を主人公に置き、導入による変容を描くことで、共感を得られます。ただし、BtoBではROIや業務改善の定量的な提示も重視されるため、ヒーローズジャーニーに数値を補強する形が理想的です。

Q3. 事例数値がない場合の書き方は?

数値がない場合は、定性的な変化を具体的に描写します。例えば、「残業が減った」ではなく「毎日21時まで残業していたのが、18時に帰れるようになった」といった具体的な時間や状況を示します。また、顧客の声(証言)を引用し、信頼性を補強することも有効です。ただし、可能であれば簡易的な測定(アンケート、ヒアリング)を実施し、「社内調査では満足度が平均4.2/5点」といった形で数値化することを推奨します。

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この記事を書いた人

当編集部は、世界的エンタメブランドでの実績を持つブランディング専門家の知見をもとに、実践的なブランドマネジメント情報を発信しています。

編集方針:
セサミストリート、ディズニー、ウルトラマンなど、数々の世界的ブランドを手がけた35年の業界経験から導き出された理論と実践ノウハウを、検索ユーザーの課題解決に役立つ形で体系化。最新のブランディング手法を分かりやすく解説します。

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